その13回目
「双雄」~邦題:ヒロイック・デュオ(英雄走査線)~2003年7月31日香港公開
2004年6月19日(Sat)~7月9日(Fry) キネカ大森 7月17日(Sat)~大阪
~HORA奥様劇場~
わけありげな女とロン毛の男。手を取り合い見詰め合う二人。
「奥さん、どこ見てるんですか。僕の目を見てください。」
女、男の下半身に向けていた視線を慌てて顔に移す。
「僕はいつだって真剣なのに、なぜ、奥さんはふざけるんです。」
「あら、ふざけてなんかいないわよ。ただ、あなたを見てるとつい、遊んでみたくなるの。ほれ、漫画フェスティバルのプレミアチケット。」
女、チケットを目の前でピラピラ振って見せる。男、チケットを取り上げ捨てる。
「あ!いいの?プレミアチケットよ!分かるプレミアって意味が?」
「奥さん!今度と言う今度は、僕、真剣なんです。」
「おお!大好きな漫画フェスのチケを捨てるなんて。凄いわ、この催眠術の本、即効じゃない♪」
「ふふ、奥さん、僕は催眠術にかかったわけじゃないんです。今時、目の前でコイン振られたくらいでかかったりしませんよ。」
「いや、コイン振った瞬間にあなた私の手をつかんだじゃない。いつもは手を握って欲しそうな顔してるだけで自分からアプローチしてこないのに。どう見てもかかってるわ。ほら、目がコインの形してる。」
「奥さん、僕はもう我慢できません!」
男、着ていたTシャツを引き裂く。
「いやぁ~ん!!どぴゅ~。ちょっと待って!あんまり思った通りの展開で、鼻血が出ちゃったわ。」
「奥さ~ん!」
女に抱きつこうとする男の目の前に女、紐をつけたコインを見せる。
「はいはい~、あなたは眠くなる~。」
「ぐ~~~~。」
男、両手を広げたまま寝てしまう。
「ああ、あんなおいしい場面はもっと後にしなきゃ。こ~んなに効くとは思わなかったわ。もうちょっと遊んでからイイ男にしなきゃ。ふふ。さあ、あなたはかわいい小犬ちゃんよ~。」
「キュ~ン、ワン、ワン。」
「は~い、いい子ちゃんね~。はい、お座り、お手、ちんちん♪あらやだ~、お上手~~~。ほほほ。」
ピンポーン!突然玄関のチャイムが鳴る。
「ああ!!しまった!旦那が帰ってきたわ!」
「ワン!ワン!ワン!」男、嬉しそうに玄関に向って吠え、部屋のドアをガリガリする。
「キャー!!ダメダメ、見つかっちゃうわ!!!どうしよう、どうしよう。はい、あなたは猫になる~。」
「ニャ~ン。ゴロゴロ。」
「って、そこにうずくまって寝るな~!!はい、あなたはええっと、ええっと・・・・へ、蛇になる!」
男、シュルシュルと言いながらベランダから這い出て縁の下に潜る。
「ああ!!どこ行くの~!!ま、いいか。明日あたり催眠といてあげましょ。」
何も知らない男はその晩、縁の下でとぐろを巻いて過ごしたのでした。
さあ、さあ、さあ、お暇とあらば寄っとくれ!やってきました「双雄」、二人(双)の英雄と書いて「双雄」とはこれそのまんま。ヒーローにふさわしい男前二人の共演とあらば、巷の女達が黙っちゃいないよ~。おう!とくと見ておくんなせぇ!
っつーことで、お待たせ致しました「双雄」でございます。2003年夏に公開されたイーの作品中、唯一シリアル路線映画。(うーん、ツインズ・エフェクトのイーはシリアス?びみょう~)2003年はSARSの影響下、本当に本当に製作される映画数が少ない中、イーは出演作が本作含め4本も公開されてるんですからね、まさに快挙!さすが香港映画スター。(ぶぶっ)それではいってみましょうか。まずはストーリー紹介。イイ男二人がこれまたイイ男の悪人に立ち向かう話。以上。いいですね~、非常にわかりやすいです。(笑)もう、これだけで見に行きたくなるでしょ?そうでなきゃ香港映画ファンとは言えませんよ~。
イイ男その1:呉鎮宇(フランシス・ン)。頼むからフランシスからジャンユーに変えてくれ~~~。ユンファだってハリウッドに行くからこそあえて「ユンファ」を名乗ることにしたんだ。フランシスもお願い!ハリウッドを視野に「ジャンユー」に名前を変えとくれ~~~。しょうがない、私だけでもジャンユーと呼ぶことにしよう。(勝ってにせい)ささ、ジャンユー様、久々のご登場って言うか、イー以外の香港映画ほとんど見ない私にしてみると「悪役だなんてお懐かしいわ~」な悪役です。それも、悪役なのに上下真っ白のスーツ姿でご登場!「奥さん、久しぶり。もう店に来てくれないんじゃないかって、僕寂しかったよ。」ぬぅわんてそのスーツ姿でひざまづかれたらどうする?私、今回のジャンユー様にはけっこうクラクラしちゃってるかも。香港版DVDで見ていた時はわからなかったけど、催眠術のエキスパートの役だったのね。知らないうちに画面を通してジャンユー催眠術にかかってクラクラしてたのかも。(そうじゃねぇだろ)そのエキスパートが人質とって自分の弟子に強盗やらせるなんざ、まどろっこしいじゃないの。ジャンユー様ほどの眼力なら、オークション会場の客から厨房のコックさんまで片っ端から催眠術にかけて宝石Getするくらいのこと屁の河童でしょ?それをあえてせずに、弟子の妻を人質にとってやらせるなんて、まあ、なんて嫌な性格なんでしょ。もう、大好き、こういうイジメ役キャラ。(笑)いじめて、いじめて、もっといじめてあげて~~~。(-_-)/~~~ピシー!ピシー!失礼しました。団地妻、ヤバいです。さ、そんな団地妻を喜ばそうとしてかこの映画のジャンユー様は最初っから最後まで悪役一本やりでございます。気に入らない、用がない、面白くないと思った瞬間「バーン!!!」。ひえぇ~~~。団地妻、映画とわかってても血は嫌でございます。嫌だけど、ジャンユー様の切れっぷりには嬉しくなってしまいます。特にゾクゾクさせられたのが、弟子のライ(王子ことレオン・ライ)が撃たれ、結構真剣に助けようとするんだけど仲間の車に助けられたとたん「なんちゃってー。ちょっと芝居してみたぜ、フフ。」とばかりにすっとぼけた顔をし、手についてしまったライの血を「べろろ~~~~ん」いや~ん。(#^.^#)もう、これが団地妻辛抱たまりませんわ。このなんちゅうの?「うわ、気持ち悪~~~」と「そこまでするかその芝居」という思いが急激に体に伝わって鳥肌立つんですよ。イーの演技でいまだかつてこの種類の感覚味わったことないもんな。ほんと、ジャンユー様ならではの感覚です。それにしても残念だったのは、いじめる相手が王子だったことかしらね。久々に再会したライとその妻を監視カメラで見ながら「なんだったらベットを使うか?」ときたもんだ。そんでもってカメラに収めて「1本ダビングしとけ。俺が後で楽しむ。ちょいなちょいな。」(by古惑仔1)ってか?もう、王子ファンやきもき。でもさ、やっぱ、イーをとことんいじめてくんないと私としては面白さ半減よね。(って、結構楽しんでると思うけど)
イイ男その2:王子ことレオン・ライ扮するのがジャンユー様に催眠術を教わったという黎上正。奥さんは彼のことを阿正(あちゅん、う~ん、私にはそう聞こえるんだけど)と呼んでるのだが、字幕には「チン」と出るんですね。何度も繰り返し呼ぶところでは字幕に「チン チン」と並んでしまって奥さん赤面。そういうくだらないこと考えて見てるなんて王子ファンに失礼だったかしら?ごめんなさい。でも、こっそり笑っちゃった。王子の映画で見たのは「妖獣都市」「天使の涙」「ゴットギャンブラー」「ラブソング」「瑠璃の城」かな。王子と呼ばれるからには相当引っ張られる何かがあるんだろうと思って見たんだけど、どれもなーんとも思わなかったなー。(笑)一番印象にあるのは「ゴット」だったかしら、頭ぶつけて気が変になる役じゃなかった?それ見て「こんな二枚目さんがここまでアホ面になるのか?」と思った記憶があるわ。きっと今回のように相当な役作りをしたんでしょうね。あまりにも完璧すぎて、「ほんまにアホになってまうで?」と思わせてしまうんだもの。自堕落な私はそんな完璧主義の人にはついていけないわ。このあたりが王子よりイーを選んでしまう理由よね。今回の王子はまさに王子の王道を行く役柄。美しき妻の為に罪をかぶり、美しき妻の為に命がけで救出に行く。ああ、そんな王子様が現れてくれないかしら~~~。と映画を見た女性の目はすっかりハートでございましょう。映画の中の王子は催眠術を使わずとも女性達を虜にしてしまったようね。極めつけは吐血。香港映画になくてはならないのが鼻血、吐血、吐いた物でございます。天下の2枚目が血を吐きながら愛する人を助けようとするその姿!ジャンユー様でなくても改心したくなる光景でございます。息も絶え絶えとなりながら、やっと救い出した妻を起こしながら、自分は深い深い眠りへと落ちていってしまう。ああ、王子目を閉じないで~~~。絶叫する観客たち。(は、いなかったなー)ハンカチから滴る涙。(も、なかったなー)んで私はと言えば、「王子って、顔、横に広いよね。何であんな白いお顔してるのかしら?やっぱ血がなくなったから白いメイクしたのか?いや、王子って元もと色白ぽっちゃりちゃんだよね。あれ?目張り入れてない?」と他人事。これがイーだったら両目に掃除機のホースつけて流れ出る涙をことごとく吸い取っていかないとおっつかないくらい号泣してるんだろうなー。いや、ホース目に付けたら画面見えないか。やっぱ、たらい?(人に聞くなっちゅうの)しかし、なーんでかしらね?こんなに私がはまりやすい役柄なのに王子に転がらないなんて。私おかしい?(笑)でも、イーに撃たれてしまうところには感動したわ。まるでダンスのように宙を舞う手。さすが王子、撃たれ方が人とは違う。感動したついでにその撃たれ方真似しちゃった。家でDVD見ながら「あは~ん」とか勝手にアテレコしながら。わははは。失礼しました~。
イイ男その3:やはりしんがりはこの男でしょう。ここはなんといってもイーキンのHPでございます。たとえほかの二人よりかすんで見えても、王子の役のほうが数段おいしくても、この映画でピカいちなのはやっぱりサミュエル!そうそう、このHPにも隠れファンがいる、元アニタ・ムイ様のバックダンサー、サミュエル、って、こらこら~~~~。サミュちゃうやろ、イーキン、イーキン。わかっちゃいるけどその前に、サミュエルですよ。彼は今までなにやってたんでしょうね?今は亡きアニタ様のお抱えダンサーとして注目されていた彼ですが、その後歌手デビューするとかしないとか言われてのち音沙汰プッツリ。それがこんな形でお目見えするとは思ってもみませんでした。っつーか、BBSに書かれるまで気づかなかったし、私。ははは。失礼いたしました。今回は台詞もなくマシンガン乱射した挙句に燃え尽きちゃった役でしたが、あの長身からくる迫力は結構すごいものがあります。今後俳優としてやっていくんでしょうかね。ま、私には関係ないけど。(こらこら)ちなみにもう一人のサミュエルといえばイーの専属通訳周先生。周先生の英名がサミュエルだと知った時、このサミュエル君が目に浮かんだのでしたが、何で映画で見て気づかなかったんだ?自分。(笑)
ささ、あんまし皆をじらすとこげちゃいますからね、このあたりで我等がイーキンご紹介と参りましょうか!ジャジャ~ン♪冒頭、ジャンユー様のこえ~~~登場のあと、いきなりイーの眉間にしわ寄せ、うっすら汗なんぞかいて悩ましげなお顔UPに団地妻鼻血ぶー。ルームウェアー姿でなく、上半身裸だったりしたら穴という穴から鼻血状態でしたよ。惜しかったわ~。あそこで裸だったら王子に持ってかれることもなかったのにぃ~、残念~。なんてーことを思いつつも、海を必死に泳ぐイーのデコがヤバいよ~とか、目を閉じながら目の玉グルグルさせてる芝居に笑っちゃったりと、もう、このイーご登場の数秒で団地妻すっかり満足。役作りのため初期のドラマ「九反威龍」以来久々に短くした髪。イーってば、形から入るタイプなのね。某記事に刑事役について聞かれ、「実は芸能界に入る前は警官になりたかった。」と告白。大爆笑した私でした。まあ、あいつのことだから冗談発言とも思えるが。でも、ならなくて正解だったかも。だってさ、警官だよ?香港の警官って制服半ズボンじゃなかった?合わないでしょ熊さん足の君には。(そういうところがかよ)アンディー兄さんにしてもトニー様にしても、メチャメチャ制服似合うけど、君はねぇ・・・?(・・・はやめろ)それに制帽がね。写真写りいい割りに、帽子姿だけは何でか似合わないんだな~、これが。不思議だわ。ついでにアーミールックも似合わないと私は思っている。鍛えてる割に着痩せするからか?これが上脱げば似合うのよ。カーキーのTシャツから見える二の腕。おお!じゅる。やっぱイーは脱いで何ぼか?へへへ。おっと、話を戻そうか。ええっと、どこに戻すんだ?(おいおい)あ、何だまだ始まったばっかじゃん。横道逸れ過ぎ。ははは。警官と違い刑事さんだから、イーはスーツ姿。それもチョイとピンクがかった色シャツなんぞ着て、胸元も開けてみちゃったりして、どうっからどう見てもまじめなホスト。いや~ん。(何だよ、真面目なホストって)本人は「陳浩南と同じクールなタイプの役だからどう演じ分けようか迷った」みたいなことを言ってましたが、悩む必要ないじゃん。浩南とあなたはべ・つ・じ・ん。でも、ちゃんとイーキン版刑事さんが出来てたわよ。さすがに力の入れ方が違うわよね。
どんくらい力が入っているかと言うと、口元ね。(アントニオ)猪木入っちゃってるから。(笑)皆さん眉間のしわに気を取られてたみたいだけど、全編通して猪木がかな~り入ってるんでDVD発売されたら要チェックよ。(せんでええちゅうに)真剣になればなるほど「何だばかやろー」状態。私の肩、笑ってしまって震えっぱなし。後ろの席から見たらバーテンダーがシェイカー振ってる状態よ。あ、でも、細木数子さんが「あごの長い人は頭がいい証拠。受け口は甘えん坊さんなのよ。」と言ってたよ~。よかったね。(フォローになってないか?)口元の次に力入ってたのが「目」よね。怒ると目をカッと開け睨むんだけど、怖い怖い。「そんな見開かんでええやん。」と突っ込んじゃうのよね、私。イーには他の睨み方も研究してもらいたいものだわ。あと、ブレンダ(カリーナ・ラム)と見詰め合いすぎ。オークション会場の警備に「ちょっと彼女を借りていいかな」の後、さっさと任務言いつければいいのに見詰め合っちゃって。あれじゃあ王子だって「ん?おお?ほほ~」ってな顔したくなるよね。絶対このシーン撮り終えた後笑ってるよ、イー達。王子、おいしすぎ。そんな王子の監視を任せた後もなにやら言いたげに通り過ぎたり、取調室でブレンダの手を取り「ごめん」と謝った時も、王子の家で捜査ファイルを受け取った後も、ジャンユー様のアジトで彼女が人質に取られた時も、ああ、もう、いい加減にしろ~~~~~ってなぐらい見詰め合っちゃってこのヤロ~~~。<(`^´)>もう、奥さん突っ込みすぎて血管切れそうよ。じれったいけど、目の前でブチュブチュされるより妄想膨らんで、私的には◎(^^♪
しかし何より一番力が入っていたのがアクションシ-ン。この映画のアクションシーンは本当にカッコイイの一言。ジャッキーのカンフーアクションじゃなく、かといってハリウッドのような重たい動きでもない切れのあるアクションがなんとも気持ちいい。私の一押しはオークション会場から王子を追ってのカーチェイスまでのところ。でっかい宝石の持ち主に「何やってんだ!」とベットに押し倒されたのを見た日にゃ、「ああ、白人の男に~」なーんて、チョイと妄想しかけたんだけど、そこから瞬時に「やられた!」と王子の後を追うまでの早いこと。そうよ、ブレンダに「催眠術に気をつけろ」って言ってたくせして自分がかかってちゃ駄目じゃん。早く追うのよ!そのころ王子は涼しいお顔で(元からか?)オークション会場を後に。一方、追いかけるイーは仲間に行く手を阻まれて悪戦苦闘。ある時はフェイントをかけて階段を駆け下り。ある時はエレベーターになだれ込み。ある時は回し蹴りで逃げ切る。そして、ついに恋敵との対決。どう見ても黄浩然(レイモンド・ウォン)扮する刑事が一方的にイーを恋敵、もしくはライバル視してる一人よがり状態なんだけど、これがここぞとばかりに何の疑いもなくイーを犯人と思い込み、捕まえることしか頭にない。イーを追い詰めて手錠を見せ「お縄にかかれ?」なんて悠長に構えていると、この映画のイーは違うね、腰に手を当て「コサックダンスか?」と思いきや、素早く拳銃を取り出し天井めがけてバンバンバーン!!ガラガラガラ~。ひえぇ~~~かっちょいい~~~~。この天井めがけて撃ってる姿がめちゃカッコイイ!!(#^.^#)でもその後のカーチェイスでジャンユー様の車のナンバーを無線で伝えてる時は普通~のトーンでチョイずっこけたぞ。そんな普通のトーンが気に食わなかったのか、サミュエルがぶっ放してきて慌てて緊張するイー。(そうじゃないだろ)緊張感がまだ足りないとでも言うのか、しまいには手榴弾で両脇の車を大破。(そうじゃないって)余裕のよっちゃんで去って行ってしまうジャンユー様達を目の前にしながら、行く手を阻まれたイーは残念無念。そこへレイモンドが追いついてきた。ささ、ここよ!この時、追いついたレイモンド達の車に囲まれて降参するかのように挙げる両手。これ、これがものすごく気に入ってるの私。この手の上げ具合がすごーーーーく好きなの。ごめんなさいね、細かくて。&超マニアックで。(笑)
勿論、ほかのアクションシーンもよかったわよ。護送中に逃亡して川に飛び込むところも初めてDVDで見た時は本当に飛び降りてるのかと思ったくらい。足から落ちてって、鼻の穴に思いっきり水入って頭キーンとなっちまわなかったか?で、水から上がってきたら鼻は真っ赤だ、髪はオールバック、「あんた誰?」状態だったりして。幸い、ブレンダと待ち合わせた王子の館、あい、いや、マンションね、そこにはすでに少し乾いた状態で登場。髪型も問題なしだった。その直後の屋上でのアクションシーンは手に汗握ったわ~。本当に、何度も書くけど香港人高いところ好き過ぎ。命綱つけているとわかってはいてもあの高さは怖すぎだよ。レイモンドでなくても尻込みしますって。スピーディーだったアクションシーンもラストの洞窟アジトでは一変。王子は愛する妻が閉じ込められている真空室をでっかいウィンナーのようなボンベで叩き壊そうとするも、これがおっそろしく壊れない。その間イーは「早く開けやがれ!」とジャンユー様を殴る蹴るなんだけど、またジャンユー様がしぶといんだ。殴られても蹴られても「アー ユー ハッピー」(by古惑仔カン)ってな感じ。カンと違ってインテリなこの悪役は殴られて笑う顔がなんともセクシーだったりする。団地妻、ちょっと心が揺らいだ。(笑)ところがここでサミュエルの登場。ブレンダを人質に挨拶代わりに王子に一発おみまい。ああ!!王子!!ジャンユー様逆転の笑み。ブレンダを人質にとられ、王子は撃たれた。だがここで銃をジャンユー様から離すわけには行かない。どうする!どうするんだ敏腕刑事イー!!迷っているとまたもや王子に容赦なく放たれる弾丸。王子吐血。ああ、何やってんのよイー!!どんどんおいしいところ持ってかれちゃってるじゃん!(そんな心配かよ)やっと決心がついたのはブレンダに「I love you」と囁かれた時。しかし、なんで英語?イーだからして、やっぱそこは「へ?」っとボケてほしかったな。(そんなボケいらんちゅうに)そしてイーはサミュエルを撃ち、サミュエルはブレンダを撃ち、ジャンユー様はイーを殴り、銃を奪って一発おみまい。殴られ撃たれたイーはつんのめるようにして倒れこむ。王子の優雅な倒れ方とは打って変わって、かっちょ悪いったらありゃしない。本当にけつまづいたんじゃないかと思うくらいリアルすぎ。そんな所で演技力使ってどうする。もうすっかりボロボロの王子に駆け寄るイー。一発撃たれただけなのにすでにヨロヨロしてるなんて、イー刑事もっと鍛えろ。そして二人が思いついた爆破させて真空室を開けるという方法。ジャンユー様に暗示をかける二人。王子の言葉には落ち込むが、イーには「やかましい!」と返したくなるのは私だけでしょうか。そしてジャンユー様の燃え尽き方は圧巻。歌舞伎の見得を切るかのように一度振り返って向き直り雄叫びときたもんだ。主演2人も完全に食われたカットだったわ。
まあ、脚本もしっかりしていて、そつない映画だけど、どうも腑に落ちないのがイーとブレンダのキスシーンね。はっきり言ってこのシーンはイーにとっては18番、お家芸、一番の見せ所。なのに何故、水槽と金魚と俊一?金魚の水槽越しのシーンが「シュリ」のワンシーンを思わせるから?だから俊一挿入?おいしすぎ、俊一。そして、いつ息継ぎしてたの?俊一。もう、このシーンはイーの表情見るのやら俊一見るのやらで大忙し。いつもだとイーの役の感情にスーッと入っていくのに、こればっかっりは俊一に邪魔されて台無し。しかし、一番腑に落ちなかったのは俊一自身かも。(笑)「俺、何でここに?」みたいな。監督さんの意図が知りたいわ。監督の意図と言えば、ブレンダ役にカリーナ・ラムはいかがなものかと。いやいや、彼女だっていろいろな役に挑戦する必要はあるでしょうが、刑事役にはちょっと無理が・・・。黒い衣装でクールな刑事役を演出してはいるものの・・・。本来なら、王子の妻役が演技派の彼女にはピッタリだったのかもしれないけど、意外性を狙ったのか?っつーより、とりあえず今注目の女優さんだからってキャスティングされた感じがして、そのあたりが甘いよなーと思ってしまう私。この役をあの「ツインズ・エフェクト」ので共演したジョシ―・ホーが演じたりしたら、大人のカップルの魅力爆裂、奥さん生唾もんだったかもしれないのにぃ~。どう生唾ものかって?金魚の水槽前。イーの気持ちを量りかねたジョシー。「私達、別れる?」。言葉に詰まるイー。思わず抱きしめてしまうジョシー、そのまま濃ゆ~~~いチュ~~~~。「うそ。」(こんなにチューの上手な人とは別れられないわ)立ち去るジョシー。ぬぅわあああああんんってのはどう、どう、どう?絶対こっちの方がいいでしょ?ちょっと監督、今度キャスティングする時はご一報頂戴?(-。-)y-゜゜゜だははは。おいおい、誰だ?私のネジ1本緩めたのは?お?右手に持ってるこのネジは何だ?あ、抜いちゃったんだ自分で。あはは~ん。(皆さん放っといて下さい)
さあ、ラストは恒例Eショット!やっぱこれだね。宝石を守るため王子とモニターを見ているイー。しゃべりすぎる王子に目潰しブシュッ!モニターを見ろ!ジェスチャー。あーんまり面白かったんで私も授業参観でチラチラこっちを見る子供にやってみました。最初は間違えて自分に目潰しして黒板指したら子供に伝わらず、やり直したらすぐに理解して黒板の方を向きました。恐るべし、イーのジェスチャー。(笑)まあ、これは面白Eショット、と言うことで。本当のEショットは王子に向けて銃を構えたところですね。そのまま真剣な眼差しで私のハートを射抜いて~~~。ぶはははは。っつーことで、王道を行く王子に微塵も心揺るがされることもなく、団地妻この作品のイーに最初っから最後までやられっぱなしでした~。
P.S.ここだけの話。日本語字幕で見るまで、イーがあのでっかい宝石の持ち主に「我々が守ります。ご安心下さい。」ってな事を英語で言ってるって気づかなかったの私。英単語もまともに覚えられない私が、自分のことを20mくらい高い棚の上にあげて言っちゃうけど、イー発音下手すぎ。(笑)プライベートレッスン受けたんちゃうの?
Text by まさか