その8回目
「東京攻略」(東京攻略)
2000年旧正月香港公開
2001年3月10日~日本公開 そして今 も日本のどこかを攻略中。
~HORA奥様劇場~
オープンカフェの一角。わけありな女とロン毛の男が、白いテーブルを間に向かい合って座っている。 「浮気してるわね。」
「アチッ!(男ティーカップを落しそうになる)お、奥さん・・・。」
「調べはついてるわ。」
女、書類を男の前に置く。男、手に取り読む。
「ぎゃははは、ようこそ魅惑の妄想ワールドVIVAへ」
「だぁーーーー!!」
女、書類をひったくる。
「だぁー、って奥さん、何ですか?その魅惑のビバって。」
「やかましい!これよ、こっちを読みなさい。」
「素行調査報告書。はっ!まさか・・・。」
「そうよ。あなたの事調べさせたの、わたくしりつ探偵にね。」
「・・・奥さん、それ私立探偵って読むんですよ。」
「・・・(-_-)踊ってやる!!!」
女、羽根の付いた扇子を出して踊り出す。
「やめて下さい、奥さん!(男、後ろから羽交い締めにして止める)分かりましたから やめて下さいよ、みっともない。」
「みっともない?だったらあなたのカチューシャ姿はみっともなくないって言うの?」
「前回の続きですか?いいです、奥さん、僕が悪うございました。読みますから、とも かく落ち着いて下さいよ。」
「わかればいいのよ。読んで浮気した事を認めなさい。」
「奥さん、読む必要はありません。僕が会っていた女は僕が雇った私立探偵ですか ら。」
「何ですって?」
「奥さんこそ、その探偵と浮気しましたね!」
「した。」
「おおいっ!(怒)ちょっとは動揺したらどうです。って言ったら♪ぽっぽっぽ~はと ぽっぽ~♪何て童謡歌ったりしたら怒りますよ!」
「ちっ、読まれてたか。だって~、その探偵さんカッコよかったんだもん~。」
「あんななヨレヨレのどこがいいんです。」
「目にね、やられたのよ~。うっとり~。」
「滝のようにヨダレ出てますよ、奥さん。目だけじゃないですか。背だって低いし、T シャツの袖たくし上げて着るような奴ですよ?」
「あら、人の事言えて?へんてこな花柄のピチピチTシャツ着る人が。」
「ぐっ。それに、あの男白いパンツ履いてんですよ?」
「そうなのよ、しかもお尻の辺りがヨレヨレ・・・・って、何で知ってるの。」
「ふふふふ。ホテルのボーイに化けてたんですよ。」
「そう言えば頼みもしないのにルームサービスが来たわ。でもオールバックだったわ よ?うっそぉ~、(驚)あれあなただったの?まじぃ~?」
「って、コギャルですか、奥さん。」
「よ!別人28号。」
「今度はオヤジギャグですか。いい加減にして下さい!奥さんは、奥さんは僕の事・・ ・・。」
男、後ろを向いて背中を震わせる。
「あら?泣いてるの?」
女、男の顔を覗き込む。笑っている男。
「(バシッと男を叩く)何笑ってんのよ!」
「(真顔で)以外にツボに入ってしまったんですよ。とにかく、奥さんとはこれまでで すね。さようなら。(立ちあがる男)」
「東京ゲームショー&オモチャ博のプレミアムチケットがあるんだけどな~。だ~れ か行かないかな~。」
「奥さん、僕が間違ってました。(とひざまづき女の手をガシッと握る)」
「よ~し、よし、よし。」
女、ムツゴロウのように男の顔を撫でる。
「奥さん、僕、犬じゃないんですけど・・・うう、自分の性格が恨めしい・・・。 (T_T)」
♪ラテン・ラテン・ラテンミュージック♪どっぷりの「東京攻略」見ましたか?皆さ ん。やられた!やられた!やられたわ~トニー様に。トニーファンの皆様、本当に申し訳ございませんでした。イー君がプロモーションしてたものですから、すっかりイー君の映画と思い込んでた私。これは紛れも無く、カンヌ・トニー様の映画でござ います。ここにお詫びと訂正を入れたいと思います。ははは、いや~、「アクション健在」ぶりと、「軽い映画にも出てみました」的なお茶目トニー様には本当にうっとり。冒頭から繰り広げられるアクションは、紛れも無く毎日トレーニングしているぞと言うプロ意識が見え、さすが役作りに燃えるトニー様と感嘆。トニー様が回ればコートも回る。このコートと言い傘と言い、まるで生き物のよう。生き物がコートに 傘に成りすましてるかのよう。傘がこんなにかっこいい物とは知らなかった!と思ったのは「雨に唄えば」以来でございます。いつもながら感心するこの超ご都合主義アクションが、私には本当に楽しくて仕方ない。後ろから羽交い締めにされたらその勢いで目の前の敵に蹴り入れるとか、「あんた達本当は仲間じゃないの?」って言うくらい見事な流れ。元力士ギャングに捕まれたトニー様がまた「捕まれたら袖ちぎっちゃえ」とばかりにコート破く破く。効かない煙幕の後では強力接着剤だわよ。くっ 付いちゃったから靴脱いじゃえ、そりゃそうだ、ですよ。この元力士ギャングの攻撃には笑った、笑った。しこ踏んだり「突き突き」攻撃ですもの。やっぱ水戸泉ファンだった私にしてみると、高らかと塩を投げた後力(りき)入れるために顔バンバン叩いて、叩きすぎて倒れちゃうってギャグかまして欲しかったわよね。んで、気づいて 「あれ?」って顔すんの。「あれ?」じゃねぇよ、おまえが弱いんじゃん、って言うね。
さあ、アクションはまだまだ続きます。新宿から青山まで靴下でこっぱずかしがる ことも無く悠々と帰って来たトニー様。クローゼットを開けると同じコート同じジャケット同じ靴がずら~り。年がら年中同じ服着てるアニメキャラのよう。後でわかる 実は日本の警官だったというオチのトニー様。(オチってどうよ)日本の警察にはあんなカモフラージュ事務所作るような財力ありましぇ~ん。それにしても警官服の似合う人だわ、トニー様。ダサダサの警官服がかっこよく見えるのはトニーの目力のせい?(笑)次はヨーロッパあたりの警官服着てみて欲しいぞ。この探偵事務書での乱闘シーンの最期はトニー様の吹き抜けダイビング。強化ガラスを閉じた後ヒモを手繰り寄せて、「僕ね、こっからダイビング」とジェスチャー。これがまた「チャップリンか?あんたは?」ってくらいメチャクチャチャーミング。そしてまたコートをなびかせてシューッと地上に降りるトニー様ですよ。はぁ~。ここまででもう満腹。(おいおい)
これで終わったらこのコーナーの意味無いじゃん!トニー様の後はケリーの結婚式 シーンがちょい入ってやっとお待ちかねイー君の登場です。武術大会会場でカンフー 実技を見る審査委員長のイー君。「おお!鬼太郎ヘーアーだけど、お顔がすっきりして凛々しいぞ!何者なんだろう?」と思っていたら鳴り響く携帯電話の呼び出し音。 慌てて自分の胸元やらカバンやらを探っていたのは、スクリーンの中だけではありませんでした。見てるお客さんも探してた。(笑)水を飲んでまるで他人事、といった風のイー君が突如携帯出してそのまま「ぼぁにぃ、ぶぇっごぉぼ!?」(何、結婚 !?)と言った後場面チェンジですよ。んでもって、ケリーとのやり取りで内装屋だなんて名乗るもんだから「おいおい、イー君何者なんだよ?」と私の頭ん中グルグル。 ではここでストーリー紹介。結婚式をすっぽかされたメイシー(ケリー)がその相手 である高橋(中村トオル)を探しに日本へ。それに同行したのが内装屋と名乗るユン (イーキン)。実はメイシーの父が差し向けた武術の達人私立探偵。二人が着いた早々高橋を追っているヤクザ、伊藤(阿部寛)の手下に襲われているのを助けたのが、私立探偵の林(トニー)。実は日本の警官と言うのは先にも書きました。林が追っているのは高橋と伊藤の間で取引されてる闇金。これにCIAの赤川も加わって話はややこしくなってくる。だからここまで。後は見て頂戴。(おいおい)
さあ、このユンはイー君が自分で言ってるように「人に聞いてばかりで自分で答を探さないところが似てる」というとんでもなくおしゃべり男。&合コンで人が受けてる と「何?何?」と聞いてくるようなタイプ。今までにない役なのは本当。だからとっても楽しそうにやっている。街頭でティッシュ貰ったり、女の子の尻に敷かれてみた り、チャーミングなイー君満載!まずは誉めてあげたいのがアクションシーン。大見得切ってた割には小春よりアクションが少なかった「バーチャルシャドー」の汚名挽回とばかりに、来る敵蹴散らしては又蹴散らしてはのアクションはまるでジャッキー ・チェンのよう。掃除機も使えばモップも使う。モップ折れたらカモンカモン~なんて余裕ぶっこいて太鼓のバチのように相手を叩く叩く。追っかけてきた敵はケリーを盾にしてまるでダンスを踊ってるかのようにクルリクルリと回りながら倒していくのさ。あんたそんだけ殺陣(たて)の手順覚えられんだから、ダンスぐらい覚えなさい よ。自白剤飲まされたメイシーちゃんを助けるくだりのアクションでは元ボクサー赤 川相手にこれでもか!のチョップ攻撃。攻撃しながらも倒れ掛かるメイシーちゃんにナイスタイミングでリュックを投げてクッションにするなんざぁ、く~う!だども、 倒れ掛かるメイシーちゃんは見えたのに、トニーに連れてかれたのに気づかないお間 抜けさ。わははは。会員制クラブから逃げ出した後のアクションでは、体操選手のように両足おっぴろげてのジャンプで意外に体の柔らかいところを披露しております。 まだあるぞ。トニー様とのファイトシーンでは宙吊りなしの人間マトリックスだぁ! あれで張りきりすぎて腹の筋肉いためたらしい。そのせいで室内スキー場「トイザラス」(そりゃおもちゃ屋)じゃない、「ザウルス」に行けなかったと、今でも悔しがってるイー君。ラストの水上チェイスシーンでは、ジェットスキーでオールバック姿に変身。ある時は内装屋、ある時はカンフーの達人、しかしてその実態は!「最期の最期でまだ新キャラがいたのか!?」ってわけじゃないんですのよ、皆様。初めてのジェットスキーだったらしく、トニーの乗ってるボートの波をまともに受けちゃって水浸しになったのだ。イー君のオールバック姿は全然違う意味でハラハラドキドキしちゃう。 (爆)そんな事言ってないで、初めての操縦の割にはお見事って何で素直に誉められな いかな?自分。ははは。さあ、大詰めだ。抱えあげた敵が橋にぶつかりそうになって下ろしてあげて「ありがとう」なんてギャグあり~の後、タンクにぶつかりそうになって水に飛び込むんだけど、そこはそれ、イー君ですもの、ただ飛び込まない。普通 は閉じるであろう両手をジュワッチ!と広げてドボンです。何か意味あんの?(笑) いや~なんだかんだ言いましたが、血がドバッっというのが苦手な私としては、それなしでイー君のアクションを楽しめるなんて、本当に嬉しい映画。
それと同じくらい楽しめるのがお茶目イー君。この映画の中どこもかしこもいいんだけど、ちょいと思いついたのあげてみようか?高橋のマンションに着いて重い荷物持ってあがった後「あー、いいのがついてんじゃん。」と得意げに取っ手を伸ばしてみるところね。あんなもん見つけたぐらいであんな得意そうな顔しなくても。(笑)伊藤の手下に襲われそうになって言う「ちょろまつ(ちょっと待って)」はお聞き逃しの無い ように。エンクミちゃんに助けられて「お嬢ちゃん可愛いね~」と喋り捲ると「やかましい!」と怒られて、シュンてなるところね。この顔としぐさがメチャキュート! 香港映画祭の時、これを見たなんこさんは「可愛い~」とすでにやられてた。(笑) 旅館でわけわかんない鼻歌歌って浴衣で出て来るところも要チェックよ。コケるから。このコケがマジか芝居かわからないあたりがイーキンマジック。酔っ払ったメイ シーに少し気持ちが傾いて見つめるお顔は絶品。その後セシリアちゃんに捕まって女 の子の尻にしかれてる情けない顔は浩南ファンにしてみると抹消したいかも。強引に も10円で国際電話かけたメイシーちゃん。そのおかげで彼女の居場所を知ったトニーとイー君。彼女を見つけてゴリラの真似するところは言うまでも無いですね。私が好きなのはそのちょい前。メイシーを見つけた二人がそれぞれ上着を脱ぐところ。 ここのトニー様、最高よね~。すまーした顔して脱ぎかけたコートまた着ちゃうとこ ろがね、超スマート。イー君とトニー様の息が合ってるって感じのシーンで私好きな んです。その後のラーメン屋のシーン、皆さん覚えてます?ケリーの向こうでラーメン食いながら一人納得して頷いてるイー君がいます。芝居忘れてラーメン堪能してんのか?(笑)ティッシュを余計に貰いに行くところとか、拳銃の弾抜いて得意げに見せるところとか、ああ、あげ出したら切りが無いぃ~。
お話は無理矢理の御都合主義だけど、そんなもの香港映画じゃ「無問題」。ケリーを始めセシリア、日本のかわい子ちゃんが揃って、トニー様、イー君、ええい!おまけだ!旧正月!とくれば他に何がいるか、ってなもんですよ。日本での紹介文ではどんでん返しに次ぐどんでん返し、とありましたがまさにその通 り。私が一番やられたど んでん返しは伊藤に依頼されて調査をやったという冒頭のトニー様の説明シーン。あれが全部作り話だったって知った時ですね。覚えてますか?コインロッカー開けに行って伊藤に見つかった3人。「こちらのお二人は知っていますが、こちら(トニー)の方は初めてお会いしますね。」と伊藤に言われてケリーがトニー様を疑うところですよ。「ええ!!じゃあ、『俺を知ってるか?』『コレジャ、カオガミエナイヨ』 とか、『今撮ったその素敵な作品、俺にも見せてくれないか』『イイヨ~』なんてお もろかったあのシーンは作り話!」となんでか私ショックだったんですよね。映画見ながら「ええ!!」って小さく口に出しちゃいましたもの。だって、もしかしたら赤川の手下、あの力士ギャングとのアクションシーンも林の妄想シーン??やけにカッコ良かっ たのもそのせい?何てこったい!これ以上のどんでん返しがあるだろうか。トニー様にはしてやられたって感じ。ははは、別 にトニーが作った作品じゃないんだけどね。
結局トニー様で話が終わりそうじゃないの。(爆)この映画自体軽くて面白いけど、撮影話も面 白い。トニーがイー君達の車に飛び降りる所。「スタント無し!」「お互い信頼 し合ってないと出来ない!」などなど大変そうに書かれてましたが、すんごいゆっくり 走ってる車に飛び移ってた、って説もあり。トニーのエンジン付きスケボーも、実は 「イーキンにやらせようと思ったが、下手でトニーにした」とマ監督は言ってるのに、 「スケジュールが合わなくて出来なかった」とイー君。うむむ。どっちが本当なんだろ う。先日95年ぐらいかな?イー君がとある番組でローラースケートしてるのを友人 に見せてもらったんだけど、これが滑ってはいるんだけど、へっぴり腰なんだよね。 (笑)それからするとマ監督の言ってる事が正しいのか?さあ、いつもだとラストは私のお勧めEショット、なんだけど、今回はどのお顔も可愛くてお勧め。私にとってこの「東京攻略」は初めて生イー君と握手した記念すべき作品なので、思いもひとしお。 だから、これをみるとイー君の暖かかった手を思い出し、それはEショットをはるかに越える魔力でもって私をフニャフニャにしてくれるのだ。ほほほ。ゴンッ!あ痛っ !皆、何?石なげんのやめてよ。ちょっとやだ、皆さん、嫉妬してらっしゃるの?ほほほ、もう、大人げ無いのね。ビシッ!あ痛っ!顔はやめて!オフ会の司会できなくなるでしょ!ふーんだ、マイケルとも1センチくらいの至近距離で話したんだぞ~。(通 じ なかったけど)ゴゴゴゴ・・・って何?何なのこの揺れは?ギャー!!オエちゃん、岩は止めようよ、岩は!!!それでは皆さん、また次回、岩の下敷きになってなかったら お会いしましょう~。(~~)/~~~
Text by まさか